「QCY AilyBuds Pro+」を1週間ほど使ってみたのでレビューしていきます。
インナーイヤー型は遮音性が低く外部の音を拾いやすいイメージでしたが、ノイズキャンセリングとAIオーディオ機能の組み合わせでここまで高音質を体験できるとは思っていませんでした。
AIオーディオとノイキャンで欠点を克服したQCY AilyBuds Pro+
QCY AilyBuds Pro+はLDAC対応のインナーイヤー型完全ワイヤレスイヤホン。インナーイヤー型はカナル型よりも遮音性が低いため周囲の音を拾いやすく臨場感に欠けるのが欠点。
そこでQCY AilyBuds Pro+ではイヤホンの着用状態を検知して最適な効果を発揮するアダプティブノイズキャンセリング機能を搭載し、この欠点をカバーしています。
また外耳道の形状とイヤホンの装着状態から最適なイコライザに自動調整してくれる「AIオーディオ」機能を搭載。専用アプリ上でワンタップするだけでサウンドが一変します。
カナル型の圧迫感が苦手な方でも臨場感のある音楽を楽しめるイヤホンです。
箇条書きで特徴をまとめると下記の通り。
- 7,480円
- インナーイヤー型
- LDAC対応
- アダプティブノイズキャンセリング機能搭載
- AIオーディオ機能により自動で最適なイコライザに調整
- マルチポイント対応(2台まで)
- 専用アプリあり
使ってみて感じた気になるポイントは下記の通りです。
- マルチポイント接続は割り込み再生不可
- LDACとマルチポイントは併用不可
- ノイズキャンセリングはアプリからでしかON/OFFできない
- イヤホンを外しても再生停止しない
- ワイヤレス充電非対応
1万円以下&インナーイヤー型なりの音なんだろうなと見くびっていましたが、ノイズキャンセリング機能とAIオーディオを適用すると予想以上の臨場感を味わうことができました。マルチポイント接続対応でスマホ⇆PC行き来しやすいのも嬉しいです。LDACとマルチポイントは併用できない等いくつかの欠点はありますが、それらを差し引いてもかなり満足度の高いイヤホンであることは間違いありません。
QCY AilyBuds Pro+の外観と付属品
まずは同梱物とイヤホンの外観について見ていきます。
内容物
- イヤホン本体(ケース&イヤホン)
- Type-Cケーブル
- 取扱説明書
イヤホンケース表面には「QCY」のロゴ。
こちらは裏面。
充電端子はTyp-Cです。隣にあるのはリセットボタン。接続が上手くいかないときに使用します。
ケースを開いたところ。磁石でパチっとくっつくタイプなので収納しやすいです。
こちらイヤホン本体。イヤホンにはロゴ等の表記はありませんでした。
QCY AilyBuds Pro+のレビュー
サイズ感|手のひらに収まるサイズ
箱から取り出してまず小ささに驚きました。手のひらにすっぽりと収まるサイズ感で持ち出しやすいです。
AirPods Proとの比較写真がこちら。並べてみるとコンパクトさがよく分かります。
イヤホン本体も一緒に並べてみました。ほぼ同じサイズ感です。
重量の方はケース+イヤホンで37g、イヤホン単体で8.5gと全く荷物にならない重量感です。
着用感|自然な着け心地で疲れない
カナル型のような圧迫感が無く、自然な着け心地です。長時間着用しても耳が疲れません。
その代わりに耳への密着度が下がります。歩きでは問題ありませんが、走ると外れてしまいそうです。ランニング等の動きの激しいシーンでの使用は避けた方がいいです。
QCY AilyBuds Pro+には最適なノイズキャンセリングのために左右のイヤホン着用状態を検知する機能が搭載されていて、QCY専用アプリ上でノイズキャンセリングをONしたときに働きます。
「着用状態が優秀」であればノイキャン効果が最大となり、「着用状態が良好」だと着用し直すようアナウンスされます。
着用状態でノイキャンの効き方が大きく変わってきます。実際、最初はノイキャンONにしてもあまり効き目が無かったのですが、その際は「着用状態が良好」となっていました。何度かフィットさせてみて「着用状態が優秀」に変わるとしっかりノイキャンが機能してくれました。初めは上手くフィットしていなかったためノイキャンの効きが悪かったようです。少し疑ってしまいましたが安心しました。
個人差はあるかもしれませんが、最適なノイキャン効果を得るには慣れが必要なようです。「着用状態を優秀」の判定が出るのが結構シビアなのか僕の耳が特殊なのか、4、5回目でようやく上手くいきました。
専用アプリ|イコライザやノイキャンを管理
専用アプリ「QCY(Android、iOS)」でイコライザやノイズキャンセリングの操作を行います。
目玉機能の一つである「AIオーディオ」はイコライザの一つとして搭載されています。他のプリセットも試してみて最も変化を感じたのは「AIオーディオ」でした。
「AIオーディオ」は外耳道の形状やイヤホンの装着状態に応じて最適なイコライザを設定してくれる機能。
イコライザはプリセット以外にもカスタム可能ですが、音源によらずクリアな音楽を楽しむためにはAIオーディオにしておくのがベストです。
アプリでできること
- イコライザ(カスタマイズ可能)
- ノイズキャンセリングモードの変更
- バッテリー残量の確認
- 左右の音量バランス調整
- イヤホン操作の変更
- 風切り音カット
- マルチポイントON /OFF
- ゲームモード(低遅延モード)ON /OFF
- スリープモード(タッチ操作の無効化)
- 電源オフタイマー
イヤホン操作については後述しますが、機能の割り当てを変更可能です。
音質|AIオーディオで臨場感アップ
まずはデフォルト設定で使ってみましたが、全体的にこもっている感じで、特に低音域は潰れていてはっきりしない印象。7000円台なりの音では無いのかなというのが正直な感想でした。
しかし、専用アプリで「AIオーディオ」を選択してみると、低音域の迫力が増し、全体的に臨場感のある音になりました。オーディオに詳しい方からの評価はまた別のものになるかもしれませんが、普段AirPods Proを使っている僕としては率直に音質は良いと思いました。AIオーディオ適用時なら十分にコスパ良いと言えます。
操作性|タッチ操作のためまれにミスは起きる
イヤホン操作はステム上部をタッチして行います。
インナーイヤー型で密着度が少ないため、カナル型よりもイヤホンの着け直しをすることが多いです。そのためイヤホンに触れた際にまれに誤タッチが起きてしまいます。
また操作方法について気になったのは、イヤホンを耳から外した際に自動で再生停止しないこと。これは地味に痛いところですね。外す前に手動で再生停止すれば済む話ではありますが、ついつい忘れて再生しっぱなしになっていることが何度かありました。
続いては操作方法です。下記はデフォルトの操作方法です。
タッチ操作 | 左イヤホン | 右イヤホン |
---|---|---|
1回押す | 無効 | 無効 |
2回押す | 再生/一時停止 | 再生/一時停止 |
3回押す | 音声アシスタント | 曲送り |
操作方法はアプリ上で変更可能で、下記の操作を割り当てることができます。
ノイズキャンセリング|あくまでも補助的な機能
インナーイヤー型は遮音性が低く周囲の音を拾いやすいため、臨場感に欠けるのが欠点。ノイズキャンセリング機能でそこを上手く補ってくれています。
密着度はカナル型に劣るため、それなりに外音は聞こえてきますが、インナーイヤー型にしては頑張っている印象で、AirPods Proを100とすると65~70程度の強度でした。ノイズキャンセリングを目的に買うのであればカナル型の方が良いです。あくまでもインナーイヤー型で臨場感のあるサウンドを楽しむための補助的な機能と考えてください。
また、ノイズキャンセリングはON /OFFの切り替えのみです。外音取り込み機能は搭載されていませんでした。
ノイズキャンセリングはアプリからでしか制御できないのが少し手間に感じました。イヤホン単体ではいまONなのかOFFなのかが分からず、アプリを開いて確認するしかありません。
ただ、このイヤホンの場合はノイズキャンセリングは常時設定するのがベストなため、あまり気にする必要は無いと思います。
マルチポイント接続|最大2台まで接続可能
スマホ以外にもタブレットやPC等、最大2台まで同時接続可能。
複数デバイス所持しているのが当たり前の時代ですし、1万円以下でもマルチポイント接続が使えるのはありがたいですね。
しかし、下記の通り注意点もあります。
高音質を取るか複数接続の利便性を取るか…。複数端末でイヤホン接続する方も結構多いのではないかと思います。毎回LDACのON/OFFをアプリで切り替えるのも手間ですし悩みどころです。
ワイヤレス充電|非対応
せっかくコンパクトにまとまっているのにワイヤレス充電非対応は勿体無いなと。費用的な問題があるのかもしれませんが、後継機が出るのであればぜひ対応してもらいたいですね。
まとめ
QCY AilyBuds Pro+はインナーイヤー型ながら、AIオーディオとアダプティブノイズキャンセリング機能によって非常にクリアな高音質を楽しめました。
インナーイヤー型でここまで迫力のあるサウンドを味わえるとは思っていなかったので良い意味で裏切られました。いくつかの欠点は抱えていますが、そこが許容できるのであればコスパは良いです。
カナル型は苦手で高音質なインナーイヤー型が欲しい、という方におすすめです。